課題の発見
その話を聞いたとき、胸に引っかかったのは「誰も見ていない時間がある」という現実でした。
建設現場の夜、誰もいない農地、深夜の資材置き場、そして静かに水位が上がる河川。
どれも、本来は“誰かの目”が必要な場所です。しかし現実には、人はそこに居続けることができない。
そして既存のカメラは、インフラが整った場所でしか機能しない。
「本当に守るべき場所ほど、見守れない」その矛盾が、私たちの前にありました。
どこへでも行けて、何があっても見落とさない“目”を作れないか。
の一歩が、MORECAの始まりでした。
通信コストの壁を打破する「128kbps / 5fps」の決断
従来の遠隔監視システムにおける最大の課題は、高額なランニングコストでした。
高画質な映像をリアルタイムで送ろうとすれば、必然的に大容量のデータ通信が必要となり、
月々の通信費用が導入の大きな足かせとなっていました。
私たちはこの課題に対し、単にスペックを追及するのではなく、監視業務における「実用性」の本質を
見つめ直しました。そこで辿り着いたのが、「128kbpsという低帯域ながら、秒間5フレーム(5fps)を
維持する」という独自の仕様です。
膨大な検証の結果、5fpsあれば人物の動きや車両の通行を十分に把握できることが証明されました。
あえて通信帯域を絞り込み、データ転送を最適化することで、安定した接続と圧倒的な低コスト化を
両立。これにより、コストを理由に導入を断念していた現場でも、気軽に「常時接続」のメリットを
享受できる環境を整えたのです。
「現場へ行かない」をスタンダードに:遠隔運用の追求
開発の根底にあったのは、現場作業者の負担を劇的に軽減したいという強い想いです。
監視カメラの設置後、設定変更やトラブル対応のために、片道数時間かけて現場へ足を運ぶ。
この物理的な移動に伴う時間的・経済的ロスは、管理側にとって大きな痛手でした。
MORECAは、「現場へ足を運ばなくて済む仕組み」を徹底して追求しています。
ネットワーク設定や画質調整、録画スケジュールの変更といった主要な操作は、すべて管理画面から
リモートで完結します。万が一の不具合時にも、遠隔からシステムの状態を診断し、再起動や復旧作業
を行える機能を備えました。作業者が「現地に縛られない」自由な運用スタイルを確立することで、
本来のコア業務に集中できる環境を提供することが、MORECAの目指すDX(デジタルトランス
フォーメーション)の姿です。